ときどき日記 15 (2022/04 - 2022/09)
2022/09/27 写真展
本日27日(火)よりギャラリー・ソラリスにて写真展が始まります。もう設営は終わってというかギャラリー
オーナーがテキパキと設営作業をしている傍らで、邪魔にならないように少しお手伝いして設営作業を終わらすことができました。その写真展では中判フィルムの
6x7判および6x6判で撮った計15点の海岸線写真を展示させていただきます。
実は展示写真の中で1枚だけ異なるテーマで撮っていた写真が混じっています。異なるテーマですけど、たまたま同じ海岸線の写真ということで今回の展示に加えた
のです。漠然とこういう写真を撮りたいなっと普段の海岸線写真と並行して2年少しほど風景を探していました。野山が主ですけどなかなか見つからないものですか
ら、最近では海岸線の写真のついでに時間があれば探してみようかというような感じで少しフェードアウトしています。漠然としたイメージだけではなかなか見つ
からないのも当然かもしれませんね。
本写真展の展示期間は、9月27日~10月9日となっておりますので、お時間がありましたらギャラリーに足をお運びくださいませ。詳細はPhotoページを
ご覧ください。
2022/09/13 フィルムカメラ
フィルムカメラ関連の用品って新製品が出ることもほとんど無くて、購入しようにも売っていないので中古品を選択せざるを得ない場合が多いかと思います。デジタル
カメラでも使う用品なら販売されているので問題ないのですけど、フィルムカメラでしか使わない用品は探すのも大変なんですよね。フィルムカメラを始めようかと、
とっかかりとしてフィルム一眼レフカメラを買おうとしても中古品から探すしかないのです。レンズは新品で利用できるメーカーはありますね。
その中古品って希少性と人気度と状態(程度)で価格が決まるものですから、実際使えるカメラかどうかの状態(程度)をそのまま価格に反映してるわけではないために、
ある程度の前知識が必要になってしまいます。また状態(程度)というのも各々の中古販売店独自の基準であるために、厳格な基準の店と緩い基準の店が混在していたり
するので一律な基準ではありません。これはカメラに限らず中古市場全般に言えることですね。
フィルムカメラを始めようかと思った時に一番良いのは、親が使っていたカメラを譲り受けたり知人からカメラを借りたりして、1度でもフィルムを通して使ってみる
ことじゃないでしょうか。フィルムカメラを実際使ってみて、自分に合うかどうかが何よりも大切だと思います。
フィルムカメラの機材は中古品ですから特定機種以外は比較的安く手に入るのですけど、その反面ランニングコストであるフィルムや印画紙は結構高くなっています。
使用頻度によりますけど、そのランニングコストが高いことがネックになるかもしれません。来年の今ごろにはコロナ前ぐらいに供給と価格が戻ってくれればいいので
すけどね...
2022/08/31 プリントウォッシャー
私はモノクロプリントでバライタ印画紙ばかりを使用しています。昔はRC印画紙をよく使っていたのですけど、いつの間にかバライタ印画紙ばかりになってました。
バライタ紙は価格が高くて作業工程に手間がかかるという短所がある反面、黒色の締まりがよくて保存性に優れていると言われている長所があります。他にはRC紙に
比べて表面が傷つきにくいとか、調色のノリが良いとかもあると思います。
ただ水洗処理やフラットニング処理など手間がかかるんですよね。水洗処理で言えば結構な時間を掛けないといけなくて、私は予備水洗5分・水洗促進剤で6分・本水
洗で20分かけています。本番プリントではさらに保護調色5分・水洗30分を追加で行っています。調色を抜きにしても水洗促進剤を使って20分かけますから、RC紙のよ
うにバットを使っての水洗処理では継続的に使用するというのはなかなか難しいことだと思います。
そこでプリントウォッシャーという用品で水洗処理を行うということになります。上図が私が持っているプリントウォッシャーです(手前に長尺60cmの曲尺を置いてい
ます)。両方とも蛇口に繋いで水を循環して排出するといった簡単な構造です。手前の物はNOVAの小半切(12x16inch)サイズまで行えるもので、主にテストプリント用と
して使っています。ただ、5枚分のスロットしかないのが物足らない所ですが、テストプリントでは六切(8x10inch)であれば1スロットに2枚入るであまり問題視していま
せん。あくまでテストプリントでの場合ですから、このプリントウォッシャーで本番プリントする時には1スロットに2枚入れるようなことはしないようにしています。
奥のプリントウォッシャーはcalumetの大全紙(20x24inch)サイズまで行えるものです。昔に中古で購入したのですけど配送されて1年ほど箱に入れたままだったもので、
いざ開けてみると仕切りのアクリル板が付いてませんでした。販売店に文句言うには時間が経ち過ぎていたので、泣く泣くアクリル板を購入して取付けた次第です。計
12スロットまで行えるものですけど、そんなに使わないのでアクリル板9枚付けて10スロットまで使えるようにしています。このプリントウォッシャーはかなり重たく
容易に移動できるものではないので、台車を2台連結した上に置いて移動を楽にしています。
これら所持してるプリントウォッシャーは、今ではもう既に販売はされていません。かといってプリントウォッシャーはもう売っていないかというとそうでもなくて、
パターソンでは2種(10x12inch,12x16inch)販売されていたりします。縦型のスロットタイプじゃなくて、バットに吸排出機能を付けたような横型であれば安く販売され
ているようですけど、仕切りのスロットが無いので処理枚数的にはどうなのかが少し疑問があります。
私はプリントウォッシャーを持っているので追加で買うことは無いですけど、下記のVersalabのプリントウォッシャーは少し気になっています。
https://www.versalab.com/
アクリルではないので水洗時の様子を見ることはできませんが、重量が軽くて価格もそれほど高くないので良さそうな気がします。幾つかのサイズもラインナップして
いるようです。これは昔使っていた日本のネットショップでも買えていたのですが、ネットショップを辞められた今は海外通販しかないかと思います。このサイトで購
入(日本から買えるかどうかまでは知らない)するか、Freestyleでは小全紙(16x20inch)サイズのものであれば販売しているようです。
昔に海外通販をまだ知らない時に、calumetのプリントウォッシャーを手に入れるのにすごく苦労した記憶があります。バライタ紙は作業工程に手間がかかるってのも
ありますけど、それ以前に作業用品をどうするかというのもなかなか悩ましいですね...
2022/08/18 暗室の用品
暗室プリントで頻繁に使うことの多いマイクロスコープ(ピントルーペ)や焼き込み覆い焼きなどの用品って、机上に置いたりすぐ取れる近くの棚などに置いている
人が多いんじゃないかと思います。めったに使わない用品は引出しの奥などに仕舞っているかもしれませんが...
そういう用品の中で指南書には載っていないけど、自分にとってよく使うからといった用品もあるかと思います。私であればありきたりかもしれませんが、定規・
懐中電灯・電卓・段数表は机上に置いていていつでも使えるようにしています。
定規は私の場合は水平線が写っているフィルムが多いために、引伸ばし機で投影された画の水平線を定規で測ってイーゼルマスクを少し回して傾きを調整するために
使います。撮影時は厳密な水平で撮っているとも限らない場合がありますからね。
懐中電灯は100円均一ショップの安物ですけど、暗赤色シートフィルタをサークルカッターで円形に切ったものを仕込んで安全光の懐中電灯
として使っています。印画紙をセットした後でもノートに書かれた露光手順や秒数やその他作業を確認する為のものです。印画紙セットした後でも手元を明るくでき
るのは便利です。
電卓と段数表は露光時間を求めるために使用しています。プリントされたものからさらに露光時間を調整するためのものですが、段数表と書いているいることから
露光時間を求めるのにパーセンテージ増減で考えるのではなく撮影時と同じく段数増減で行うというものです。洋書指南書などの巻末にF.stop exposure tableや
f/stop Timing Table という名で表が載っていることがあります。各々いろいろな表の書き方をされているのですけど、私は下記サイトの2分の1段~5分の1段の表が
非常に使いやすいので、印刷した表をクリアファイルに入れて机上に置いています。
http://darkroom.tokyo/?page_id=35
(ホームページは http://darkroom.tokyo/)
段数表は倍率になっていますから今の露光時間にその倍率を掛けるために電卓も必要になるわけです。
暗室プリントって講習でもなければ一人で作業する場所なので、人によっては特殊な用品が並んでいるのかもしれませんね。
2022/08/08 風景の記憶
ちょっと時間が出来たので、135(35mm)フィルムカメラだけ持って車で1泊だけの短い旅に出てました。
行き当たりばったりで、結果的には滋賀>岐阜>石川>福井という県を通るルートとなりました。そのなかで白川郷のあたりで白山白川郷ホワイトロードという有料
道路で石川の方へ抜けたのですが、そういえば昔に白山スーパー林道っていうのを通ったことあるなと思っていたのです。もしかして同じ道路かなと思ったのですけ
ど、走って見てもまったく過去に通ったという記憶が現れてきません。じゃ別の道路だなとその時は思っていたのです。
帰ってきてから白山スーパー林道ってどこだったんだろうと調べてみると、白山白川郷ホワイトロードに名前が変わったとのことでした。ようは私が過去に通った記
憶がまったく機能していなかっただけのことでした。思うに昔に通った時には全く写真趣味ではなくカメラも持っていってない時だったので、ドライブを楽しむだけ
で景色とかは二の次だったんじゃないかと想像するのです。一度通った道は憶えている自信はあるつもりだったのですけど、それは多分写真趣味になって撮影地を探
しているからで、写真絡みじゃなければ景色の記憶は結構あやふやなものだということがわかりました。
今回の旅は内陸だけでなるべく脇道を優先して周ってました。九頭竜湖のあたりで車中泊したのですけど、普段は寝つきが悪く眠りが浅いのに車中泊だとぐっすり眠
れるんですよね。眠る条件は悪いはずなのに不思議なことです。
2022/07/28 フィルム不具合
撮影していて構図が悪いとかタイミングが悪いとか露出が間違ってるとか、自分の技量が足らないせいで良い写真にならないってことがあると思います。それ
らは反省して次に間違えないようにすれば経験として良いことになると思うのですけど、フィルムの不具合のせいで使いようのないフィルムが出来上がってし
まうと結構へこむのですよね。またあの遠地まで行かなければならないのかとか、天候などの撮影条件が異なりますから同じものはもう撮れないなっだとか思
ってしまうわけです。
という話をするのも、少し前に買った初めて使った銘柄の120フィルムがそうだったのです。どのような症状かというと、120フィルムの裏紙の模様がフィルム
に出てきてしまうものでした。昔、別メーカーのフィルムでもそのような事例があるのは知っていましたが初めて見ました。はっきり写っていればフィルム現
像で気づいたのですけど、ハイライト部だけに極薄く現れてるものだったのでスキャナ画像でも見落としていました。六切テストプリントをしてみて初めて発
覚したわけです。ただ今のところ1本だけの不具合しか確認されていないので、たまたま起こった不具合だと良いのですけどね...
メインとして使うフィルムではないので、しばらくメインのフィルムと並行使用して様子を見てみたいと思います。
2022/07/15 暗室用換気扇
近年無いぐらいの暑さが6月から続いててましたが、最近は雨や曇りの日が増えてきたりして戻り梅雨なんでしょうか。
ところで、私の暗室には水回りが無い上に夏場に必須のエアコンも付いていません。ただ、暗室には換気扇を付けています。三菱電機製の暗室用換気扇で吸込グリル
と換気扇がセットになっているもので、外からの光を遮光したまま換気が行えるというものです。吸込グリルと換気扇を別々の壁に付けることで、暗室内の空気をス
ムーズに排出することができます。暗室内には水回りが無くて臭いのきつい調色などは風呂場で行うので関係ないのですけど、それでも停止液や定着液の酸っぱい臭
いを追い出すために今のマンションに引っ越した時に付けたのでした。
臭いを追い出すためだけに付けたものですから暑さ対策にはなるとも思わず、夏場の暑い中のモノクロプリントではバットを二重にして間に水と冷却材を入れて冷や
してプリントしていたこともありました。でもその後によく考えてみると、吸込グリルに隣接している部屋にはエアコンがあるんですね。試しに隣のエアコンを点け
て換気してみたところ、快適な室温で暗室プリントができることがわかりました。少し広い畳数対応のエアコンにしていたのも幸いしたようです。しかし、引越して
きて数年経ってやっとそのことに気付いたことでして、答えは全て目の前にあったにもかかわらず無駄に労力をかけた数年があったわけです。今振り返って思い出す
たびに情けないような複雑な気分になってしまいます..
2022/07/04 コダック値上げ
今月にコダックが値上げをしました。今年1月にも値上げされてますから、僅か半年ほどで再度値上げされたことになります。
1月の時にもしたことなんですけど、量販店ページで値上げされる前に価格を表示して日が変わるとどれぐらい上がるのか興味があって見てました。結果としてフィ
ルムは15%ほど上がったようです。ただし、新製品のカラーネガの120フィルムGOLD200は値上げ無しでした。今の時点で海外販社は上がっていませんので、最近の円
ドルレートが急激に円安になったための処置だと思います。前回の値上げ決定時よりレートが25%ほど円安に傾いていますので、15%で済んだことは喜ぶべきなのか悲
しむべきなのか複雑な感じです。ちなみにユーロやポンドの円レートは10%未満の円安で推移しているようで、その地域メーカーの製品はコダックほどの為替による
影響は受けていないようですね。
写真用フィルムってやたらと高くなったとひしひしと感じているわけですが、いや貴方が思ってるだけでフィルムの相対的なコストは大して変わっていないんですよ
っというサイトを見つけてしまいました。
https://silvergrainclassics.com/en/2021/10/film-prices-analysed/
アメリカでの過去40年の世帯平均収入とインフレ率を考慮したフィルム1本あたりのコスト割合をグラフにしています。ここでの数値の元になっているのがコダック
Tri-Xの135フィルム36枚撮りで、B&HPhotoやFreestyleなど大手販売店の平均価格を元にしています。これを見ると負担割合は思ったより増加していないんですよね。
他にもなかなか興味深いことを書いていますので一読しても良いかと思います。私は翻訳サイトで日本語にしてから読みましたけど...
確かに子供の頃(45年ぐらい前)はフィルムもDPEもすごく高かったよなっと一瞬納得しかけたのですが、これはあくまでアメリカでの2021年時点の考察であって、日本
はまったく異なる環境であることは想像ができます。大きく変動した為替とインフレどころかデフレが続いていた日本で同様のグラフを描くと、かなり歪なグラフに
なるのではないでしょうか。っということで、実際このアメリカでのグラフと同じフィルム負担割合で日本でTri-Xフィルムを買うとしたら、世帯収入はどれほど必
要になるのかを逆計算してみますと...愕然とするような高い世帯収入が必要となってしまいます。興味があれば計算してみてくださいませ。
結果として、日本ではフィルムが高いということを再認識してしまった次第です。もっとも、例として挙げたのがハイブランドとなってしまったTri-Xフィルムで論
じられていますので、価格を抑えた他銘柄のフィルムで考えるとアメリカでのTri-Xフィルム負担割合よりも日本に居ながらでも低く抑えることが可能なようです。
安く買えるところで買うのはもちろんですが、フィルム特性や相性などと共に懐具合も考慮した賢い選択が必要なようですね。
2022/06/24 プリント用現像液
最近モノクロプリント用現像液を変えました。以前にデクトールに変えてから大して期間は経ってなくて描写にも不満は無かったのですが...。
デクトールの前には市販の溶液現像液の10倍希釈タイプで、そのまた前も同様に別メーカーの10倍希釈タイプだったのです。その10倍希釈タイプの現像液が長かったた
めに、デクトールの3倍希釈タイプは少しだけ面倒だなっと感じていたのです。保管時にかさむ割には減りが早いという程度の事なので気にすることも無くて、昔して
いた粉体現像液に戻っただけのことです。だけど、あるホームページでイルフォード処方の10倍希釈タイプの自家調合レシピが載っていたのを見て、ちょっと興味が湧
いて試してみたのです。100枚ほど焼いてみて結果的に描写にも不満が無くて薬品も揃っているということで、しばらくこの処方でプリントすることにしたのです。
http://lostlabours.co.uk/photography/formulae/developers/dev_cool_wam_tones.htm
(ホームページは、http://lostlabours.co.uk/index.htm)
使用する薬品が入手の難しいものや署名の必要な薬品も使いますからお勧めしませんが、既に薬品を持ってられて興味があれば試してみても良いかと思います。
ベースの濃縮現像液を作って使用希釈時にベンゾトリアゾール溶液を加えればID-62処方になって、臭化カリウム溶液ならID-78処方になるというものです。ID-62処方
は冷黒調寄りのニュートラル現像液で、ID-78処方は温黒調現像液です。私は当面ID-62処方しか使わないために濃縮現像液作成時にベンゾトリアゾールを加えていま
す。使っている印画紙が純黒調なので色の変化は乏しいのですけど、デクトールに比べてやや冷黒調寄りでコントラストは少し高いように感じます。
薬品を持っていたというのが大きかったのですけど、濃縮液2リットル作れば20リットル分の現像液ができるのは嵩張らずに管理が少し楽になります。デクトールで基
準以上に濃い溶液を作ろうと思っても溶けませんからね。かといってデクトールはストックしていて止めたわけではなく、薬品が無くなったり気が変わったらまた元の
デクトールに戻ってくるかと思います。
2022/06/13 マウントアダプター
街中では賑やかさが戻りつつありますけど、カメラ用フィルムの供給は不安定なままなので早く安定供給できるようになって欲しいものです。
ところで、カメラ撮影用品って必要な時に買う物なんですけど、中古カメラ店でワゴンに入った撮影用品を将来使うかもしれないからって買う時があります。安いし将来
見かけなくなるかもっと思うのが大きな理由で、本当に使うかどうかは二の次でした。
レンズフードやレリーズなどは後々役に立ったことが多かったのですけど、それらの中に2つ持っているマウントアダプターは多分将来も使わないだろうなと思っています。
1つがM42レンズからペンタックスKマウントボディに変換するもので、もう1つがペンタコンシックスレンズからマミヤM645ボディに変換するものです。それぞれ片方はM42
レンズを持っていなくて、もう片方はマミヤM645ボディを持っていないような状態です。昔にそれらレンズやボディを買おうかどうか真剣に悩んでいた時期もありましたが、
買ってしまうとそのマウントで色々と揃えてみたくなってしまうだろうと買うのを踏みとどまりました。異なるマウントを増やすより保有しているマウントの予備レンズや
予備ボディを充実させた方が自分には役に立つだろうと思ったのです。
その予備も今では必要な物をほぼ揃えてしまったので、これ以上あまり増えることは無いような気がします。年齢重ねて物欲が枯れてきたのかもしれませんし、買いたい
中間価格帯での新製品が出ることのないフィルムカメラ分野ですからね...
2022/06/02 フィルムカッター
最近小さなブロアーが販売されたので使ってみました。ユーエヌのシリコンブロアーSというもので、極小というわけではなくて普通のサイズより1回りほど小さいブロ
アーです。噴射量も充分なので少しでも荷物を減らしたい私にとっては良い買い物でした。
そういった用品が販売されているのは良いのですが、昔に販売されてるのは知っていて今頃になって買っておけば良かったと思っている用品があります。当時は全く必
要性を感じてなくて、なぜそんなものが必要なのかも疑問でしかなかった用品です。
それはフィルムをガイドを使ってカットするフィルムカッターなのです。現像後のロールフィルムを135(35mm)フィルムなら6コマごとに切るだけの用品です。当時はコ
マ間をハサミで切るのも何とも思わず出来ていたのですけど、老眼が進んだ今となってはコマ間を上手く切るのに失敗することがあって、あ~こういう時に必要だった
んだと腑に落ちている次第なんです。しかし老化って嫌なものです。
少しぐらい画像にかかっても気にすることはないのですけど、やっぱりきちんと切りたいものなんですね。100円均一ショップのはさみから精密ばさみにも替えてみまし
たが少しマシになる程度だったので、近いうちにクリップのような形状でガイドを自作して対応しようかと思っています。
昔のあるうちに買っとけばよかったんですけどね...
2022/05/21 赤外フィルタ
最近、手持ちで撮る時の赤外フィルムのフィルターを変えました。
私の現在手持ちで赤外撮影で使うフィルムはローライInfrared400です。手持ちでの撮影用ということで、一番感度の高い赤外フィルムを選んでいるのです。ISO感度400
のフィルムですけど、赤外撮影でよく使われるIR720のフィルタを通すとだいたい4~5段ほどの露出倍数がかかります。感度400フィルムならフィルタを通すと25~12ほ
どの感度に低下するということになります。そのままでも手持ちで写せないことはないんですけど私は絞りをなるべく絞り込みたいので、もう少し感度を上げて撮影し
て増感現像で補うようにしています。これはあくまで手持ち赤外撮影時でのことで、三脚使用時での赤外撮影では異なるフィルムと異なる現像処理をしています。
その赤外撮影でのIR720フィルタってメーカーによって若干色は違うのですけど、共通しているのはほとんど真っ暗のフィルタなのです。一眼レフに装着してファインダ
ーを覗いてもほとんど何も見えないのです。ゆえに今まで外付けファインダーをホットシューに付けて撮影していました。ただ外付けファインダーで撮影している自分
がどうも信用できなくて構図ミスばかりしてしまうので、直接ファインダーを覗けるようにということでIR680フィルタに変えました。このフィルタなら標準ファインダ
ーに目を覆うアイカップでも付ければ、少し覗いていると目が慣れて暗いながらも構図が確認できるのです。IR720(720nm)からIR680(680nm)ですから光をカットする波長
が下がりますので、赤外効果は少なくなり可視範囲が多く写されることとなります。手持ちですから円形の捻じ込みフィルタしか使わないですけど、シートフィルタに比
べて細かく用意されているわけではないのでIR720(IR715)の下になるとIR680になるんじゃないかと思います。ちなみに、このローライのフィルムを使い始める時にR64(6
40nm)フィルタでテスト撮影したことがありましたが、まったく赤外効果は表れずに単なる赤フィルタを着けたのと変わらないような結果でした。
私は写真趣味になった当初ぐらいから赤外フィルム(そのころはコニカの赤外フィルム)は使っていて、今でも使い続けている理由というのが心地の良いコントラストの高
さにあると思っています。普通のモノクロフィルムで橙や赤フィルタを付ければコントラストは高くなりますが、単調になりがちな風景写真ではシャドウ部に沈みこむ領
域が多いんですね。例えば晴天の青空で雲が浮かんでいるような情景では雲が浮き上がって良いのですけど、山間部も入れて撮るとなると山間部がシャドウ部に寄ってし
まって山並みがはっきりせずに一種の影絵のようになってしまうのです。橙や赤フィルタはその色の波長以下をカットするわけですから波長の低い青や緑色が露光されに
くくシャドウ部となってしまいます。一方の赤外フィルムでは、光が反射する所はハイライト部になり光を吸収する所や光が届かない所はシャドウ部となります。例えの
同じ情景だと山間部は木の葉によって反射されて明るく描写されるわけです。それが単調になりがちな風景写真ではバランスよくコントラストが高い描写となることから、
目で見た感じとは異なってはいても長く使い続けている理由になっているのだと思います。
とは言っても、よく使われるIR720フィルタといえども全て赤外領域ではなく可視領域も含まれています。赤外領域だけにするにはもっと波長カット数値の高いフィルタが
必要となるのですが、使用する赤外フィルムがどこまでの赤外波長感度まで対応するかに依存します。シャープカットフィルタの波長数値と使用赤外フィルムのもつ赤外
領域感度とによって差異が表れるということなります。
見た感じと異なる描写となるために好き嫌いの別れる赤外写真で色々と制約もあるのですが、興味があれば晴天の日に赤外撮影を試してみても良いんじゃないでしょうか。
レンジファインダー機や二眼レフ機であれば、IRフィルタを付けてもクリアなファインダーで覗いて写せますからね...
2022/05/10 超長期間露光
海外販社からメールが来ていて見てみると、一風変わった撮影手法での商品の紹介でした。
内容を見てみると既視感があって、そういえば昔に同じようなことをやっていた人のサイトがあったことを思い出してブックマークの中から探しだしました。
https://justinquinnell.wixsite.com/i-can
(ホームページは、https://www.pinholephotography.org/)
っでその一風変わった撮影手法というのが、小型のピンホールカメラに印画紙を入れて外の好きな所に固定して、何日も何日にも渡る長期間露光をすることで太陽の軌跡
を写し込むというものです。上記サイトの人はなんと6ケ月にも渡る太陽の軌跡を写しているんですよね。
耐候性よく作ることは必要なのですけど、ピンホールカメラはいたって普通の缶を使った手作りピンホールカメラです。そのカメラに暗室で使う印画紙を入れて、外で太
陽の方向にカメラを固定して6ケ月ほったらかしにするだけです。単に超長期間のピンホール撮影なのですけど興味深い所があって、撮影後の印画紙は現像処理せずにそ
のままスキャナに通して画像処理ソフトでネガ反転させてコントラスト調整すれば出来上がりなのです。たしかに印画紙は露光すると跡は残るのですけど、液処理せずと
もスキャナで読み取れる程とは思わなかったのでビックリした記憶があります。
大した手間もかからないので、奇麗に太陽の軌跡を写し込めるような所に住んでいれば一度は試してみたくなる撮影です。動画ではピンホールカメラの作り方から最後の
スキャナを通すまで詳しく説明していますので、良い環境に住んでる人や興味がある人は試してみてはいかがでしょうか?
2022/04/28 四国
先週のゴールデンウィーク前に4泊ほど旅に行ってました。とは言っても2泊はフェリー内宿泊ですので、実質は2泊だけの短い旅でした。
以前にピックアップしていた見落とし撮影予定地が四国西側に幾つかあったのと、オレンジフェリーを使ったことが無かったので乗ってみようと思ったのです。オレン
ジフェリーは大阪・神戸と四国と九州とを結ぶ3航路を持っていて、私は大阪・東予(愛媛)間の航路に乗ってきたのです。
オレンジフェリーのこの航路は他のフェリーと違う所があって、それは全室個室で普通はあるような大部屋の2等客室が1つも無いのです。多くても4名室までとなって
いて、あえて個人客だけに的を絞ってるところが興味深いです。大阪と東予という中距離フェリーで夜間に航行するというのが理由なんでしょうか。船内の設備も長距
離フェリー並に充実していて快適に過ごすことができました。
肝心の撮影では愛媛と高知の西側ばかりを巡ってきたのですけど、見落としていた場所なこともあって結構歩く箇所が多いんですね。それも落差のある海岸まで降りて
いって帰りは登りという所が多かったのです。行きは下りだから良いんですけど、帰りは登りになりますし荷物も重いこともあってヘトヘトになるんですね。それも海
岸に着いてから撮影するような所でもないと分かった時にはガックリしてしまいます。まぁ初見ですからほとんどがガックリ箇所なのが辛いところです。
平地ではあまり思わないんですけど、坂道を上ることをすると途端に体力低下を感じてしまいます。20年前ならなんとも思わなかったような坂がホントにつらくて、ま
るで亀の歩みのような遅さになって額からの汗が止まりません。それで帰ってきてからも2日ほど太腿の痛みが抜けなかったです。
行きたいところがあれば体力のあるうちに計画を立てて実行した方が良いと思いますよ。それに撮影地が時間経過と共に様変わりしてることもありますからね...
2022/04/18 フナムシ
撮りに行くのもちょうどいい季節になりました。
あいも変わらず海岸線をメインで撮っていて、でも暖かくなるこの季節になると一気にあれが現れて増殖するんですね。ご存じのフナムシという海岸にいる節足動物
で、大きさや動きがまるでゴキブリのようなので苦手意識をなかなか払しょくできません。先日も和歌山に撮りに行った時にまだだろうと思ってたのですけど、集団
で待ち構えていました。今の季節のはそれほど大きくはないのですけど反面すばしっこくて、夏の終わりにかけて色が濃く大きくなって動きも鈍くなって見かけなく
なります。フナムシは漂着物も無い砂浜海岸にはいなくて、草木や海藻類が漂着するような所に多くいます。ようは複雑な海岸線である岩場のような所がそれで、私
の撮影地とだいたい一致するところが悔しいところです。
こちらの歩く振動で逃げては行くんですけど、3脚立ててジッとしていると知らぬ間に寄ってきたりします。私は撮影中にバッグなどを下に置くので、バッグの中に
入ってこないかを絶えず注視しておかなくちゃいけません。なにが苦手かというとその数なんですね。場所によって多い少ないはあるのですけど無数にいる所があっ
て、こちらが歩くたびに無数にいるフナムシも動くものですからまるで絨毯が動いているような錯覚を憶えてしまいます。漂着物の上を歩かないといけない時には、
歩くたびにその隙間から這い出てきたりして...なかなか慣れないですね。
いろいろな海岸線を行ってても時期的に偏りがあるので確証ではないのですけど、太平洋側よりも日本海側に多く生息しているイメージがあります。特に山陰海岸に
は、無数にいる場所が多いような気がします。漂着物を食べて掃除してくれたりするフナムシですから苦手に思うことも無いんですけどね。
しばらくはフナムシと共に撮影せざるを得ない季節になってしまいました...
2022/04/09 コシナC1s
気候も暖かくなって、あの冬の寒さは何だったんだろうと思っている今日この頃です。
ところで、このカメラはコシナC1sというペンタックスKマウント準拠の機械式一眼レフです。
今では高級路線のレンズで定評のあるコシナですが、以前は懐にやさしい廉価なレンズやカメラを生産販売するメーカーでした。もちろんこのカメラも廉価な時代の
カメラで、メーカー直販の販売サイトで2万円で充分なお釣りが返ってくるほどのカメラだったのです。またレンズ群も同様に廉価だったので、本当にこの価格で良い
のか?っと驚いた記憶があります。ゆえに超広角20mmと広角28mmとマクロ100mmのマニュアルフォーカスレンズ群もついでに手に入れた経緯がありました。
廉価なカメラといっても、適正露出をファインダー内LED3個で確認できてシャッタースピードは1/2000sまで使える充分な代物なのです。あえて足らない機能を言えば、
被写界深度プレビュー機能が無いぐらいではないでしょうか。
コストダウンのためか外装はプラスチックの少し安っぽい感じがしますけど、カメラのレンズ接合部はプラスチックじゃなく金属で作られていたりいます。驚くことに
MADE IN JAPAN という印字がされている日本製カメラなんですね。操作的には巻戻しノブのテンションが緩いのが気になりますが大した問題ではありません。ただ、
経年劣化で1つだけ対策が必要な所があります。それはミラー部と支える台座との間を粘度のある接着剤で付けているためか、暑い時期になると時間をかけてミラーだけ
が下がってきてしまうのです。レンズを付けてシャッターを切ってもミラーが戻らないという状態になるのです。いっそミラー部を剥がして修理しようかと思ってるん
ですけど、まだ充分な接着力があって大変そうなんです。かなりの時間をかけてミラーが下がってくるだけなので、保管時にカメラを天井に向けるようにして置いてい
れば使う時の時間程度では問題は発生しないのでそのままにしています。
ミラー部の注意点はありますけど、400グラム無い軽量カメラでフットワーク軽く撮れるカメラでもあります。フットワークが軽すぎて今まで何回か落としたりしました
けど不思議と壊れていません。安く買ったという意識もあるためか丁寧に扱うってことを忘れさせてくれるカメラで、そういうカメラを1台ぐらい持っていても良いんじ
ゃないでしょうか...