ときどき日記 17
2023/05/15 ピント目測
以前の日記でも記述したPENTAXのフィルムカメラプロジェクトは最初にコンパクトフィルムカメラからということでしたけど、それについて少しだけ新しい情報が
開示されました。なんとフィルムを手動巻き上げで行うコンパクトフィルムカメラになるようなんです。てっきり今までPENTAXでたくさん生産してきたオートロー
ディングのオートフォーカスのコンパクトフィルムカメラになると思っていました。手動巻き上げということであれこれ想像してしまうのですが、個人的には好み
のカメラの方に進んでるようなのでさらに楽しみになりました。レンズやピント調整がどのようになるか気になりますが、今後の開示情報を期待したいと思います。
1960年代や1970年代には手動巻き上げのコンパクトカメラは各社からたくさん生産されていました。レンズは準広角から標準の焦点距離を持った単焦点レンズが多
く、ピント調整はファインダーを覗いて合わせられるレンジファインダーになってるものや目測でピントを合わすものがありました。
その目測でピントを合わす比較的廉価なカメラでは、上図のようなイメージアイコンに合わせて撮るゾーンフォーカス式のカメラがありました。ふと、そのアイコ
ンと実際の距離の関係はどうなっているのか気になりました。というのも私の所持しているカメラの中でたぶん2台がそのようなカメラなのですが、メートルやフィ
ートの距離も併記されているので今までアイコンを見て合わすことが無かったのです。上図の機種も鏡筒の裏(下)にメートルとフィートが併記されています。もち
ろん、搭載レンズの焦点距離によってアイコンと距離の関係は異なると思いますが所持カメラで確認してみました。
私の所持しているカメラはそれぞれレンズ焦点距離35mmと38mmのもので、アイコンは4つから選ぶ4点ゾーンフォーカスになっていて、異なるメーカーですがよく似
たアイコンになっています。両機種ともレンズ焦点距離が近いからかアイコンに対する距離はほぼ同じになってるようです。上図の左から、1m、1.5m、3m、無限遠
という距離と合うようになっています。なんか切りの良い数値になっていて、撮影対象物が人ではなくてもこれからは鏡筒裏の数値を見なくとも済むような気がし
ます。
こういうピント目測のカメラはピントで間違うこともありますけど、固定焦点の暗いレンズを載せたカメラよりは遥かに楽しいですよね。
2023/05/01 世界ピンホール写真デー
もう過ぎちゃってますが、4月30日は世界ピンホール写真デー(Worldwide Pinhole Photography Day)でした。
毎年4月の最終日曜日に行うと決められていて、ピンホールカメラを作ったり写真を撮ったり写真をアップなどしましょうという日です。
ピンホールカメラって暗箱に小さな穴開けただけの簡単な構造ですから、簡単なものであれば労せずに作ることもできるのが利点です。とは言っても私自身が板材を使って
一から作ったものは1台だけで、後はカメラを流用するか改造したものが多いんですけどね。
そのピンホールカメラの存在は知っていても使ったことがないという人も多いと思います。もし少しでも興味があるのでしたら高いピンホールカメラから始めるのではなくて、
安い市販のピンホールカメラから試してみるのも良いんじゃないでしょうか。
今現在で一番お手軽な市販ピンホールカメラは、たぶんKINGの紙製の組み立てピンホールカメラだと思います。
https://www.asanumashoukai.co.jp/f/pinhole-film-camera
このピンホールカメラは、メーカーサイトや大型量販店やネットショップで手に入れることができます。なにより本体価格がフィルム1本分ぐらいの廉価なので、お試しに使
うには敷居が低くて良さそうな感じです。私は持っていないですが近いうちに購入しそうな気はしています。
普段はレンズを使ったシャープな写真を撮ってられている人も、レンズの無いピンホールカメラでソフトな写真を撮ってみると気分転換になって良いかもしれませんね...
2023/04/17 RA4ダイレクトプリント
最近、自家カラープリント界隈で少し流行っていることがあるようです。
それはフィルムを使わずにカラー印画紙だけでポジ画像を得る手法です。この手法は昔からあるようですが、最近Youtubeやサイトなどで試している人が多いようです。簡単
に言いますと、大判カメラにカラー印画紙を入れて撮影して液処理すればポジ画像の印画紙が出来上がるというものです。撮影に使った印画紙をそのまま液処理するために、
焼き増しのできないオリジナル画像印画紙だけが残ることになります。
液処理手順は非常に単純で、モノクロ印画紙用現像液で処理-モノクロ停止液処理-水洗-再露光-カラー印画紙用発色現像液で処理-カラー印画紙用漂白定着液で処理-
水洗という手順を踏みます。ようはRA4カラープリント処理の前にモノクロ現像液での処理プロセスと再露光を追加しているだけです。モノクロ停止液処理後は明室で行え
ます。
興味のある手法ですが私はたぶん試さないでしょう。というのも、それなりの大きさの印画紙を入れるとなると大判カメラが必要になるからなんです。さらに撮影時の感度
が非常に低くてISO3ぐらいで後述のフィルタ処理を加えるとISO1ぐらいの超低感度になるのです。感度がそれなりにあれば段ボールでピンホールカメラを作って試せるので
すけど、さすがにその超低感度じゃピンホールカメラは無理ですよね。
この手法は撮影して液処理ですので、色を合わせるカラーマッチングをするプロセスがありません。どのように色合わせをするのかと言いますと、撮影時でフィルタ処理に
よって合わせるということをします。フィルタ無しで撮るとカラーネガフィルムのオレンジベースの反対色である青色でプリントされてしまいます。ですので、オレンジ色
の85Bというタングステン光から太陽光への変換フィルタを付けるのが基本のようです。ただ印画紙特性や液処理特性などで色特性が異なりますので、CCフィルタなどをさら
にフィルタを重ねて調整するようです。使用する印画紙と液種類を決められてからトライアンドエラーで合ったフィルタを見つける試行が必要ですね。
興味がありましたら、「RA4 direct positive process」や「RA4 color reversal process」などのキーワードでサイト検索してみてくださいませ。
カラーネガフィルムは少し前から信じられないほど高価になってしまった故に流行りだしたのかもしれませんね。
2023/04/03 ヤシカ Mat-124G
先日、ハガキが届いて表に私の住所と名前が書いているのですが、裏が真っ白のハガキが届いたのです。差出人がわからず内容も真っ白なので把握することができないの
です。消印は大阪北郵便局で大阪一帯のどこかから出されたというところまでしかわかりません。プリンターで出力された文字なので、裏面印刷時に2枚送りされたために
印刷されずに確認もされなかった1枚だったのでしょう。なんか少しモヤモヤしてしまいますね。
ところでこのカメラは ヤシカ Mat-124G という2眼レフカメラです。
2眼レフカメラ末期の1970年代初頭の製品で、中古カメラ店では比較的よく見かけるカメラです。この2眼レフカメラには珍しく露出計がついていて、それもセレン露出計
ではなく電池の必要なCds露出計なので少し信頼性があります。使用電池は昔の水銀電池ですが市販の電池アダプタを使えば今の電池でも使えるようになります。もちろん
機械式カメラですので露出計は目安であって、絞りとシャッタースピードを手動で合わせて撮るんですけどね。
またアクセサリとしてワイドコンバーターとテレコンバーターも用意されていました(私は持っていない)。レンズ周りはローライBay1型になっていますからフィルターや
レンズフードがBay1型ローライと共用できるのは利点ですね。私の持ってるもう1台の2眼レフのローライフレックスTとフィルタやレンズフードは共用して使っています。
本体はプラスチック樹脂を所々使っているためか少し軽いですね。軽量化かコストダウンのためなのかわかりませんが、写真の反対側面にあるピントノブまでプラスチッ
ク樹脂なのはちょっといただけません。というのも、昔冬の夜に函館で雪が舞いつつ撮影していた時にピントノブが固着してしまい、少し力を加えて回したところノブが
空回りしてピントを合わすことができなくなったことがありました。翌日に青森に渡った時にホームセンターで工具を購入してビジネスホテルで修理して事なきを得まし
たけど、ノブが金属製ならこんなことはたぶん起こらなかっただろうと思っています。不満点はその特殊な事案だけで、人によっては写りが平面的であまり良くないと言
われますが、私には普通によく写るというイメージがありますね。
同じようなクランク巻上げのBay1型の2眼レフをもう1台ぐらい保有していても良いかなっと時折探したりしますけど、購入に至るほどのカメラは長く見つかっていません。
価格が合わないというのもありますけど、年々良い個体が減っている方が大きいような気がします。2眼レフカメラは気に入ったものが見つかれば手に入れた方が良いんで
しょうね。なんせ年代物ばかりですからね...