PAGE TOP

フィルムカメラからプリント処理までの便利なガラクタ箱3

♪ I Try (by Macy Gray)
 −−− 失敗を楽しむために工作してみよう

ガラクタ箱2のページも長くなってきましたので、こちらに追加するようにしています。

項目。
電動式プリント用テストスケール(テストストライプ)の工作


【電動式プリント用テストスケール(テストストライプ)の工作】

電動式プリント用テストスケール

昨年、デジタルネガ用フィルムを使ったテストスケールを工作しました。(それに関しては ガラクタ箱2ページの(プリント用テストスケールの工作)を参照くださいませ)
その際ハンザ製と同じように回転式テストスケールを自作するには、回転遮光板のバランスと回転軸の接触摩擦を低くすることを考えなければ 長い時間回すことが出来ないために、回転させるのを諦めてデジタルネガ用フィルムを使った方法にしたわけです。その時のテストスケール に不満は無いので今回リベンジというわけではないですが、その後にふと、指で弾く代わりにモーターで回してやれば多少バランスに難が あっても、無理なく回ってくれるんじゃないかと思ったのです。思ってしまったらやらない訳にもまいりません。っで駄目元でお遊びで 工作してみたところ使えそうだったので、今回の工作を記述することにした次第なんです。
あと作ってわかったのですが、回転遮光板は塩ビ板で工作すればバランス良く容易に作れるものなんですよ。

っでモーターを電池を使って回すわけですが、本当は電圧を少し下げたかったのですけど電気回路となると学生の頃に 少しやっただけで完全に頭から抜け落ちていますので、電池を直結して回すことにしました。ただ、それではモーターの回転速度が高いために そのまま回転遮光板をつけても異常な速さで回ってしまいますので、プーリー(滑車)を使って適度な速度に落として回すこととしました。また 回転遮光板は私が低い数値の露光指標はあまり使わないために少し変更して、80%から10%までを10%毎の等間隔の8段階として 作るようにしました。ですのでハンザのとは少し形が異なっています。
ちなみに所持している市販のテストスケールで露光指標をパーセンテージで記しますと、
ハンザ製回転式テストスケール 70% 50% 40% 30% 20% 15% 10% 7% 5% 9段階
コダック製シート状テストスケール 80% 53% 40% 30% 20% 13% 10% 6.7% 5% 3.3% 10段階
CPM inc製シート状テストスケール 80% 53% 27% 20% 13% 8.3% 5% 3.3% 8段階
となっており、シート状のものは60秒あたりの秒数表記になっているためパーセンテージ変換すると中途半端な数値に見えてしまうかと思います。 市販のテストスケールは累積的に減らす数値になっており、ハンザのものは段階ごとに約70%掛けた数値になっています。一方今回の工作では 線形に減らしております。初めて使う印画紙の場合のように、露光秒数を全く予測できない場合には低い数値を重視している市販のテストスケール の方が合っているかと思います。既知の印画紙であればある程度の露光秒数は知っていますので、今回のように中間値を細かくした方が読み取り やすいかと思います。このあたりは皆様の望むような数値を求めて合わせてくださいませ。

ガラクタ箱で初めての電気を使った工作で、もともと得意な分野ではないために今まで無かったのは当然といえば当然 なのです。今回はまるで、原始人が初めてこん棒を持つようになったような感じで工作したということになるでしょうか...
イーゼルマスク上に置いても使いやすいようにコンパクトな部品とかを使ったつもりですが、プーリーを使っているために思った以上に厚み があります。熟練者ならもっと違った方法で小さく薄くできるのではないかとも感じました。あくまで初心者の工作ということで温かい目で 見てくださいませ。
とにかく始めましょうか。

用品と道具
・アクリル板2mm(透明)、塩ビ板1mm(黒)、クッションゴム
 ボディに使うアクリル板は、別に透明である必要はないです。唯一、露光指標部は透明である必要があるために全て透明で統一しました。 回転遮光板は軽くしたかったために1mm厚の塩ビ板にして、遮光のために黒色を使うことにしました。1mm厚の塩ビ板は加工がしやすいので 複雑な形状の回転遮光板には合ってると思います。
電動で回転しますので露光中にずれ無いように小さなクッションゴムを用意してもいいかと思います。
・モーター、電池ボックス、プーリー
 これらは子供の頃によく遊んでいたタミヤ製で揃えました。キットになってるところが良いですね。
 モーター ソーラーモーター03
 電池ボックス 単四電池ボックス(1本用x2,逆転スイッチ付)
 プーリー プーリー(L)セット
プーリーセットのおかげで手先の不器用な私にはだいぶんと助かる所がありました。
・波動スイッチ、リード線
 波動スイッチと大層な名が付いてますが、照明のスイッチと同じ単なるON-OFFのスイッチで小さいものを選ぶようにしました。少し大きく なりますが、電池ボックスセットに付いているスイッチを使っても良いかと思います。また電気回路を繋げるためにリード線も必要です。
・L型金具、シャフト50mm、バネホック(ダボだけ使用)、3mm径ネジとボルト
 モーターには固定金具が付いているのですがモーターを横に固定する金具なので、さらにその金具と繋げて縦に固定するためにL型金具を 用いました。シャフトは回転軸のために使用し、3mm径の50mm長さのものをカットして使います。プーリーセットの部品では2mm径か3mm径の シャフトを選ぶと非常に楽ができます。バネホック(ダボ)とは革細工で使用する留め金のことで、シャフトを滑らかな凹型のこの金具で 支えるために使用しました。
・アクリルカッター、糸鋸、穴あけ用ドリル、金切りバサミ、カッターナイフ、各種ヤスリ
 直線カットするためのアクリルカッターと曲線カットするための糸鋸(のこ部がワイヤー型の)フィルムをカットする道具や、塩ビ板を 切るための金切バサミやカッターを使用します。滑らかにするためにヤスリも用意ください。
・OHPフィルム、透明両面テープ、プラリペア、アクリル用接着剤、万能接着剤
 OHPフィルムと透明両面テープは露光指標に貼り付けるために使用し、プラスチック補修材は凹凸を滑らかにするためなどに使用しました。 接着剤はアクリル用と多用途のをご用意ください。
・ドライバー、ペンチ、定規、カッティングマットなど
 色々と作業する時の工具として用意ください。

作成手順
今回工作するにあたり使用しました設計図らしきPDF文書です。見難いかも 知れませんがダウンロードして参考ください。

1。モーターを組み立て加工します
モーターの他に土台やネジ類などもセットになっています。ただ土台はモーターを横に固定するためのもので今回は縦で使用しますので、 L型金具でさらに接続するようにします。モーター付属の土台は少し長いので金切りバサミでちょっと短くして穴もドリルで追加して、 L型金具をネジとボルトで固定しました。

モーター組立て

2。電池ボックスと波動スイッチを加工します
今回のモーターは0.5v〜1.5vが許容電圧です。最初は1.5vのLR44を2個並列にして行おうと思ったのですが、無負荷時には回るのですが プーリーの輪ゴムのテンションを掛けると上手く回すほどの電力が無いとわかり、単四電池を使用することとしました。
電池ボックスを組立てて、底が凹凸だったのでプラリペア(プラスチックの修復材)で盛ってヤスリで平らにしました。同様に波動スイッチも 凹凸があるので、あとでボディに接着し易いように小さなアクリル板に接着しました。ちなみに電池ボックスは1個しか使用しません。

電池ボックスと波動スイッチ

3。塩ビ板をカットしヤスリで滑らかにする
回転遮光板は露光指標に合わせた角度を異なる半径で重ね合わせて左右対称にすれば、簡単にドローソフトで図形を作れます。例えば 露光指標が0.8倍なら 180 × (1.0−0.8) = 36度の扇形を作って左右対称にすれば良いことになります。上記PDFには そのあたりを図示しておりますので参考にしてください。
っでカットの方ですが、そのドローソフトで作った画像を剥がし易いシール用紙に印刷して塩ビ板に貼り付けて金切りバサミのような しっかりとしたハサミで切れば簡単に切れます。細かなところはカッターナイフで行うようにします。回転中心は3mm径のドリルで穴を 開けました。あとはヤスリで滑らかにすれば回転遮光板が出来上がります。

回転遮光板

4。アクリル板をカットしてヤスリで滑らかにする
それぞれカットする時に、直線カット・曲線カット・穴あけカットの3パターンのカットがあります。直線カットはアクリルカッターで、 曲線カットは糸鋸で、穴あけはドリルで小さな穴を開けたあとに糸鋸で穴の中から曲線カットして仕上げました。カット後は適時ヤスリを 使って滑らかにします。
ちなみにアクリルカッターはアクリル板を切るのではなく、定規に沿ってカッターを20回ほど引いて削って割るということをします。

アクリルカット

5。軸受けを作る
回転軸を受け止める軸受けを作ります。軸受けとして適当なものは無いかと考えていたら、手元にあった革細工の留め金が丁度良かったので それを流用することにしました。バネホックという留め金でその中のダボという部品を使用します。
ドーナツ型に切ったアクリル板を3枚づつ重ねて接着し、底部は円形のもの大小を重ねて接着します。これで小さな湯のみのような形状に なりますので、その中にプラリペアの粉末を入れてその後に溶液を入れ、その上からダボを嵌め込み固着させます(パテでも良いかと思う)。 あふれ出た溶液は拭ってください。上下用の2個作ります。
手元にあるダボを使用しましたが、もう少し小さいものの方が良かったように思います。

軸受けダボ

6。回転軸を作る
シャフトは50mmのものを40mmにペンチなどでカットします。そして、プーリーセットの3mm径用固定ブッシュと25mmプーリーを計2つづつ使います。 上面で2つのプーリーを配置するわけですが、これは回転遮光板をなるべく床に近くに配置したかったからです。床から離れるほど露光時に境界が ボケてしまうためです。
っで回転遮光板が軸に対して空回りしないように固定のためにブッシュとプーリー1つを使用して、回転遮光板とプーリーを両面テープで接着しま す。プーリーはPP(ポリプロピレン)で作られているためか接着剤があまり効かないため両面テープを使用しました。
そして少し離れた所にモーターのプーリーと高さが同じぐらいのところに、プーリーをブッシュを使用して固定させます。こちらはモーターからの 回転力を受け取るためのプーリーとなります。
これら回転遮光板をシャフト軸に固定するところが一番問題だと思っていたので、このプーリーセットのおかげでだいぶんと助かりました。

回転軸

7。ボディを組立てる
アクリルボディを組立てていきます。軸受けをアクリル用接着剤でつける際には下面のものには露光指標板も一緒にセットしますが、露光指標板は 自由に回転できるようにしますので露光指標板を一緒に接着剤で固定しないように注意してください。また上面には、たわみ防止用の細長いアクリ ル壁を取り付けています。モーターは上面にドリルで穴を開けてネジとボルトでとめるようにします。そして上下面をアクリル板の敷居で接着し 一体化します。電池ボックスと波動スイッチをボディに接着し、モーターのリード線や新たなリード線で回路を繋げます。回路といっても非常に 単純な繋ぎで各線をループに繋ぐだけです。
下記写真は工作中でその後に変更したことが2つあります。1つはモーターに小さなプーリーをつけていましたが、11mmプーリーをブッシュ で固定して使用した方が具合が良かったのでそれに変更しています。もう1つは露光指標板の文字を剥がして太字に張替えました。撮影フィルムの 内容によっては細字だと見えづらくなる時があったためです。

ボディを組立て

8。完成です
回転軸に輪ゴムを通して、ボディ上下軸受けに回転遮光板のシャフト上下を嵌め込みます。そして、輪ゴムをモーターのプーリーと回転軸 のプーリーにかければ完成です。また露光中にモーターの振動でずれないように本体にクッションゴムを貼っても良いかと思います。
使ってみての感想は、思っていた以上に使いやすいです。っというのもハンザのものは指で弾くのですが、昔は1分ぐらい回っていたのが最近 では20〜30秒ぐらいになっていて、露光中にもう一度指で弾かなきゃいけないことがあったのです。今回工作したものはスイッチONにするだけで どんなに長くてもずっと回ってくれるので、途中で何もすることが無く楽になりました。
一方欠点でいえば、長さは良いのですけど高さが5cmほどあり折り畳むこともできないので携帯性が少し悪いことでしょうか。またアクリル でボディを作りましたので、落としたりすると割れたりすることがあるような気もしています。さらに、ボディの部分は露光できないです けど私はいつも半円しか使用しませんので、それは何ら問題無いんです。
自分のために工作したのであまり需要が無いと思いますが、工作好きな方やこのテストスケールに興味がある方は改良などして工作してみて くださいませ。
思った以上に使い心地が良いですよ。

電動式テストスケール稼動

テスト結果