PAGE TOP

額装でのマットボードの種類と加工方法

♪ Never Never Love (by Simply Red)
 −−− さりげなく引き立ててくれる存在です

マッティング

アクリルパネルやパネル貼りなどの場合はマットボードを使用しないものですが、額に入れて写真を展示する場合には マットボードを使用して写真を飾ることになるかと思います。
額の写真を鑑賞するときに間に単一色のマットボードを挟むことで、より写真に集中して鑑賞できる環境にもって いってくれるのがマットボードの存在かと思います。またマットボードの厚みによって印画紙が直接額のガラス面に 触れないので保護的な役割もあります。
このページでは結構堅苦しく書いておりますが、部屋に飾るのであればインテリアや写真の雰囲気に合ったものを 自由に決めていただいた方が良いです。なによりも飾ったときのイメージをじっくり考えてマッティングを決めていきましょう。


【マットボードの種類】
・ミュージアムボード
100%コットン製でできたマットボードです。非常に汚染が少なくマットボード中でも最高品質のものですので、 長期保存のことを考えると選択肢に入れておきたいマットボードです。ただ価格がちょっと高いのが難点です。
また、色は単一色のホワイト色・クリーム色・ブラック色ぐらいしか用意されていませんので、マットボード部を カラフルに飾りたい場合には適していません。
厚さは2ply(0.7mm)、4ply(1.5mm)、8ply(3.0mm)と用意されていますが、2plyか4plyを使用するのが主だと思います。 (私は4plyを主に使用しています)
・一般的なマットボード
一般的なという大まかな言葉で記述していますが、絵画やイラストなどの額装を考えるとこちらが主流になります。 パルプ製でできており、中にはコットンを混ぜているものがあります。額を買うとこれらマットボードが付いてくるものもありますね。
あまりにも大まかにくくってしまいましたが、選ぶときの目安はPH値で各社マットボードの良質なグレードのものを選ぶことが 良いかと思います。なるべく汚染の少ない中性マットボードを選択するようにしましょう。
色はバラエティにとんだ色が多数用意されています。中には単一色のマット芯だけでなく表面紙や裏面紙を貼り付けて あって、表面色とカット面が異なる色表現ができたりします。
厚さは各社個々に設定しており、大体0.8mm〜3.0mmまでの範囲に収まるかと思います。1.5mmや2.0mm厚ぐらいが主流 じゃないでしょうか。

マットボードのバラエティ


【マットボードの大きさ】
マットボードは種類によって原版の大きさは少し偏るのですが、だいたい32x40inch(813x1016mm)ぐらいの大きさになります。 それをカットすることになりますが、実際は写真用サイズにカットした大きさのものが用意している場合が多いです。
ではプリントした印画紙の大きさに合うマットボードの大きさってどれぐらいなんでしょう?
人それぞれの好みで決めていただくわけなんですが、一応目安的なものを書きますと左右上下で3inch(76mm)ぐらいの幅を 持たせることが多いんじゃないかと思います。左右上下ですのでマットボードの大きさは縦横6inch(152mm)ぐらい印画紙の画より 大きいものを選んでいるということになります。
これは丁度プリントした印画紙サイズの2つぐらい大きなマットボードを選べば良いと いうことになります(印画紙には余白部分があるので)。例えば、印画紙が四切であれば半切ぐらいのマットボードで、印画紙が半切なら 全紙ぐらいのマットボードという感じです。もちろん、その際の額のサイズはこのマットボードの大きさのものを選ぶわけです。
でもこれはあくまで目安であって自分の好みや写真の内容で自由に選んでいただくのが一番です。
イメージがつきにくい場合は、プリントした印画紙の上にケント紙や画用紙などを置いて検討してみるのもいいんじゃないでしょうか。


【マットボードの加工種類】
ここではマットボードの加工としてオーバーマット加工とブックマット加工による方法を記述します。
その前に加工で使用するマットボードの名称として、
・額縁正面で窓枠のあるマットボードをオーバーマット
・印画紙固定のために背面に設置するマットボードをバックボード
と一般的に呼ばれていますので以降その名称で記述します。(オーバーマットはオーバーマット加工と紛らわしいですが...)

マットボード名称

・オーバーマット加工

オーバーマット加工

オーバーマット枠に印画紙を直接留めたりバックボードと印画紙を重ねて留めたりする方法で、下記のブックマット加工に比べて 少し簡易的な加工の方法かと思います。
1では印画紙を直接テープでオーバーマット枠に留めて、2ではバックボードに印画紙を固定した後にオーバーマット枠にヒンジで繋げます。 (2は正確にはマウントコーナー固定では、バックボードを先にオーバーマット枠と留めてからバックボードに印画紙を固定する方が失敗が少ないです)
3ではオーバーマットと同じサイズのバックボードに印画紙を固定しオーバーマット枠とは繋げないようになっています。
縦位置額装前提で説明しましたが横位置でも同じですが、1のテープや2のヒンジは上部の辺に対して行うようにしてください。
私はドライマウント加工でバックボードに印画紙を接着する方法を行うことが多いですので、保存のときのためにバックボードだけを保存できる 3の方法をよくします。(オーバーマットとバックボードを繋げるとその分、保存時に嵩が多く必要になりますので...)
あと環境での劣化を考えると、バックボードを使用している2か3の方法で加工されるほうが良いかと思います。

・ブックマット加工

ブックマット加工

オーバーマットとバックボード間をヒンジで繋げて本のように見開き状態に加工する方法です。(ヒンジは長辺で留めるようにする)
オーバーマットとバックボードを対で考えると取り扱い易さや保存性で優れている加工方法だと思われます。特に印画紙をバックボードに接着する ドライマウント加工ではなくマウントコーナーなどで構成すれば、いつでも印画紙を交換すれば簡単に入れ替えて飾れるようになりますので、 額の数だけブックマットを用意すれば後は気分次第で印画紙を入れ替えれば良いだけなのは非常に魅力的です。(オーバーマット加工の2・3でも言えることですが...)


【マットボード加工の固定方法】
オーバーマット加工やブックマット加工を作る場合にバックボードとオーバーマット間をヒンジを作って固定します。また印画紙をバックボードに固定する にはマウントコーナーを使って固定します。(バックボードと印画紙を接着するドライマウント加工を行うとマウントコーナーは 必要ないです)
ここではテープとヒンジとマウントコーナーに関して記述します。
注意点として、ここで使用する各種用品(テープ・マウントコーナー・ペーパーなど)は無酸性の製品を使ってくださいね。せっかく額装しても 劣化しては貴方の素敵な写真が台無しになりますので...

マットボード固定

・テープ

無酸性テープ

万能的に使用できるテープです。オーバーマット加工(上記1の場合)で印画紙を留めるとき・自作マウントコーナーを留めるとき...などに使用します。
私が使っているものは薄い紙テープに糊面が付いているようなタイプですので、ヒンジのように耐久性の必要なところでは下記のリネンテープを 使用するようにしています。

・ヒンジ

ヒンジ

ブックマット加工やオーバーマット加工(上記2の場合)のヒンジを作るには、リネンテープという麻でできた丈夫なテープを使用します。
幅サイズが幾つかありますのでマットボードのサイズを考えて、合いそうなサイズのものを選んでください。リネンテープは接着面に糊面がありますが、 そのまま貼れるタイプと水に濡らして使用するタイプがありますので、水に濡らすタイプのものは上図のような用品を使って貼ってください。 えぇそうです、郵便局にある切手を濡らすための用品と同じです。
リネンテープはシワにならないように貼ってもらえれば別に難しいことはないですよ。

・マウントコーナー

マウントコーナー

マウントコーナーで固定する利点は印画紙が着脱可能であると言うことだと思います。
飾っている写真を入れ替えたい場合には、印画紙だけ替えればOKですから簡単この上ないです。ただ、プリントした写真は同じ大きさの同じ位置である 必要はあります。
マウントコーナーは市販されているものを使うときには印画紙の大きさに合ったサイズのものを選んでください。大きな印画紙に小さなマウントコーナー では上手く支持できないこともあります。また、大きいマウントコーナーは印画紙の画を邪魔しないように上図のような切り欠けを施しているものが 良いかもしれません。(透明なので良くわかりませんが...)
マウントコーナーは無酸性紙からも作れますので、少し厚めの無酸性紙を用意して以下のように折り紙の要領で作るのも良いんじゃないでしょうか。 下図のようなスタンダードな作りだけでなく様々な作り方がありますので、ぜひ自分に合ったものを探して作ってみてください。

自作マウントコーナー

以上はマウントコーナーで印画紙を支持する方法を書きましたが、少し大きな印画紙の場合に吊るすという方法もあります。(下図参照)
ただこの場合はバックボードと印画紙を繋げてしまいますので、容易に印画紙を入れ替えるということができません。もし、ドライマウントプレス機を 持ってられるならドライマウント加工をした方が良いように思えます。

吊るす印画紙


【マットボード上の印画紙位置】
前述でマットボードサイズの目安は印画紙の画より上下左右で3inchぐらい幅を持たせることが多いと書きましたが(あくまで目安です)、 そのマットボード上での印画紙位置を決めるための項目をあげてみます。これらを決めた上でオーバーマット枠の位置とサイズを決める ことになります。下記では正方サイズの印画紙で記述していますが、縦長の写真あるいは横長の写真で行う場合でも同じです。
しかし基本は自由に決めることができることですので、縦長の写真だから縦長のバックボードに合わせなきゃいけないということありませんし、これは してはいけないとかいう項目も無いかと思います。あくまで参考程度と思っていただいて貴方の写真が一番映えるように自由に決めてくださいませ。

・バックボードに対する印画紙の位置

バックボード位置

バックボードに対する印画紙の位置合わせってどうするんでしょう?
まず、印画紙ではなく印画紙内の画を元に考えるようにしましょう。私だけかも知れませんが、プリント時は上下左右の余白を厳密に均一にしている とは思えないからです。
ではその印画紙内の画のサイズを測ってバックボードのサイズを決めます。そうすればオーバーマット枠の上下左右の均等サイズが求まりますが、 下記の「オーバーマットと画の掛かり具合」で余目分をさらに加減します。っでオーバーマット枠のABCサイズを決めるわけですが、左右サイズのAは 左右同じサイズに割り振ることが多いですが、上下サイズのBCは均等にせずBを短めに配置することで額装したときに安定した展示になります。
どれぐらい短くするということもないですが、『 B / (B+C) 』の計算値が46〜48%ぐらいになるように私はしています。その際の注意点として 額サイズが少し縦方向に余裕がある物を選ぶと、額装した時に少し位置が下がってこの効果が得られなくなりますのでそのあたりも注視するように してください。

・オーバーマットと画の掛かり具合

オーバーマットと画の掛かり

オーバーマットと印画紙の画の掛かり具合は、画をオーバーマットで覆う場合の1と、画を全て出す場合の2の方法があります。
どちらでも好みの方を選んでいただければ良いのですが、額装したときの印象が結構違いますので慎重に選んでください。またオーバーマットの カットサイズが異なることも留意してください。
1の場合は印画紙の画よりも1辺あたり2〜3mmぐらい枠を小さくカットして作れば良いかと思います。(私は3mmです)
2の場合は印画紙余白をカットして行うのとカットせずに行う場合とがあります。印画紙の余白をカットする場合にはマウントコーナーは使えませんので、 ドライマウント加工などでバックボードに印画紙を接着させる方法をとる必要があるかと思います。2の場合は少しでも傾きがあると見た目に影響 しますので、きちんと水平垂直になっていて上下左右に偏りが無いように配置できるかが鍵になります。オーバーマットと画との間の距離は 額装するサイズによって印象が変わりますので画用紙などを配置して決めると良いかと思います。(数ミリ〜1インチ程度でしょうか)
2の場合に自筆サインを入れたいとか思ったときには3のように下方の余分を大きめにとってサインする人も多いです。
私は1の場合が多いですがこれらは個人の好みによりますので、自分が一番良いと思ったのを選んでくださいね。


【マットボードのカット手順】
ここではオーバーマットの枠をカットする方法をマットカッターを使って簡単に説明します。

1。マットカッターを用意します

マットカッター

マットカッターには台座の他にカッターが2種類用意されています。垂直でカットするカッターと45度斜めでカットするカッターです。
垂直カッターはマットボード全体を任意のサイズにカットするために使用します。今回使用する45度カッターは、オーバーマット枠をカットする ためのもので、このカッターで切ることで印画紙の画にオーバーマットの影が落ちにくいようになっています。
マットカッターの台座は寸法を測れるようになっており定規要らずでカットできますし、付属のカッターとはレールによってずれる事が ない構造になっています。マットボードをカットする機会が多い人は持っていても良い用品だと思います。
ただ、もっとお気軽に始めたい場合には、45度斜めでカットできるカッターが単体で販売されておりますので(下図)、それと少し分厚くて長い定規を使ってカット すれば全く同じようにオーバーマット枠を作れるようになります。(そのときにはカッティングマットを下に敷いて保護することを忘れないでくださいね)

マットカッターのみ

2。マットボードに線をつけます

マットボードに線を引く

マットボードの両面を観察して状態の良い方を決めて、それを裏返してマットボードの上下左右にそれぞれ決めたサイズに合わせて鉛筆で線を 引いていきます。(わかりやすいように点線で示しています)
45度カッターでは裏面から切るようになっておりますので、マットボードは良い状態のものを裏返して行うわけです。
鉛筆線も少なくしてカットすることはできますが、どうせ線を引くのでわかり易い上下左右に線を引くように私はしています。

3。マットボードをカッティングします

マットボードのカット

保護用のマットボードを敷いてから、2で線を引いた箇所にカッターの基準線を合わせて上下左右と切っていきます。 (わかりやすいように点線で示しています)
最初のカッター投入時に少しずれることがあるので、カッターにストッパーがあるときには間違いが無いようにストッパーを入れてください。
あとは力を入れてカッターに力を持続しつつ引いていくような感じですかね。(押して切るタイプのマットカッターもある)
この時はなんか息をしていないような気がする...

4。オーバーマットの完成です

オーバーマット完成

どうです?簡単でしょ。
既に枠を開けたマットボードも売っていますが、プリントするサイズも人それぞれで枠幅や位置など自分で調整したいことも多いかと思います。(たぶんそうだと思いますが...)
プリントまで自家処理している貴方であればマッティングも自分で行って写真を完成させましょう。すべて自己完結でなんか気持ち良い感じがしませんか...私はしますよ〜。


※額装の情報を書き留めておく

額装情報は記しておく

自家プリントする人は引伸ばす印画紙サイズや露光範囲などがある程度決まっている人も多いのではないでしょうか?
私はドローソフトで各印画紙サイズに対する額装状態を縦位置と横位置に分けて記録するようにしています。
出来上がったものが少しバランスが悪いようであれば、次回に修正すればいいのです。
次回以降へのより良い額装の参考として、記述しておくことをお勧めします。