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モノクロプリントの手順

♪ Think (by Aretha Franklin)
 −−− 赤ランプの車に追いかけられるのは嫌だけど、赤ランプの部屋は好き

モノクロプリント

モノクロプリントってどういうイメージがありますか?
ただ単にカラープリントから色を無くしたってイメージって思ってませんか?
でも仮に、同じモノクロフィルムを100人の人がプリントした場合、100人とも異なるプリントになるはずです。 もちろんどれが正解かという問題ではなく、個々のイメージである個性がそのまま表れているに過ぎないのです。 プリント上で表現されるのは【濃さ】と【コントラスト】だけなのですが、表現されるものは無限に用意されています。
現像したフィルムを自分の好きなようにプリントしてみましょう。最終的に得られたプリントを見ると感動しますよ!
フィルム現像と違って失敗しても又プリントをやり直せば良いだけですからね。
では、あなたが現像したフィルムを手にして始めましょう!


【溶液の準備】
溶液を作っていないときには、各処理(現像・停止・定着...)の溶液を各々のメスカップにいれて水を入れ希釈して混ぜ合わせます。 それらを各バットに移すわけですが、容量は各バットの大きさに合わせてください。(例えば8x10バットなら1リットル)
今回は現像・定着共に市販の溶液タイプで希釈しましたが、粉末タイプの場合は1晩ほど経ったものが安定していいです。


【手順】
今回は六切サイズのバライタ印画紙にプリントする工程を、現像・停止・定着2回・予備水洗・水洗促進・本水洗の手順で行います。
RC印画紙とは時間が異なることに御注意ください。
ここでの処理時間は私が普段行っている時間を記述しています。標準的な時間は下記の※項目を参照ください。

1。溶液群を準備します

溶液群を準備

各処理(現像・停止・定着...)ごとのバットを並べてそれぞれに溶液を入れます。
各処理のバットは、現像・停止・定着(2浴定着の場合は2つ必要)・(水洗促進剤)・(調色)などが考えられます。カッコ内は任意。
他に水洗処理をバットでするなら追加のバットが必要だし、画像をブリーチ(漂白)をするならバット上で行う場合もあるかも。
今回は、現像・停止・定着2回・水洗促進剤の工程で行ってみます。(水洗促進剤は水洗するところで行うのでこことは別のところに置いています)

2。引伸機にネガをセットして露光する
詳細はこちらの露光処理ページを参照ください。
なお理論上は4の作業終了まで、通常照明を点けずに暗室状態を保ってください。(私は5の定着液に印画紙を入れるまで暗室状態にしています)

3。印画紙を現像液のバットに入れる

現像液につける

露光済み印画紙を現像液の入ったバットに静かに入れて3分間トングを使って揺らします。
時間が経ったらトングを使って印画紙を引き上げて液をよく切ります。
今回は小さなサイズの印画紙なので現像液への印画紙投入も適当に入れていますが、大きなサイズの印画紙の場合に適当な投入をすると ムラが出ることがあります。大きなサイズの印画紙の場合には、印画紙を反らせるようにして液面と印画紙の間に空気が入らないように 投入する方が良いかと思いますよ。

4。印画紙を停止液のバットに入れる

停止液につける

印画紙を停止液の入ったバットに静かに入れて30秒間トングを使って揺らします。
時間が経ったらトングを使って印画紙を引き上げて液をよく切ります。

5。印画紙を定着液のバットに入れる

定着液につける

印画紙を定着液の入ったバットに静かに入れて30秒間トングを使って揺らします。
時間が経ったらトングを使って印画紙を引き上げて液をよく切ります。
そして2浴目の定着液に入れて同じ処理を行います。ここでは、2浴定着によるより確実な定着処理を行っています。
2浴定着を行う際には、1回の定着時間は定着液に記載している推奨時間の1/2にします。(今回の定着液の推奨定着時間が1分間だったので、1回あたり30秒で処理しています)。

6。水の入ったバケツに印画紙を入れる

定着が済んだら、水の入ったバケツなどに印画紙を入れます。
これはただ単に水洗する場所が離れているため、印画紙を規定枚数までストックするために行っています。
暗室に水洗できる環境があれば、プリントウォッシャーなどに入れれば良いだけなんですけどね...

7。次のプリント処理をする
まとめて水洗するプリント枚数になるまで2〜6をくりかえします。

8。予備水洗をする

予備水洗

予備水洗を行うため印画紙をプリントウォッシャー(無ければバット上で)に入れて5分間水洗をします。

9。印画紙を水洗促進剤のバットに入れる

水洗促進剤へ

印画紙を水洗促進剤の入ったバットに全て入れて、途中順番を入れ替えたりして6分間浸します。(私は手で行う)
時間が経ったら印画紙を引き上げます。

10。本水洗をする

本水洗へ

本水洗を行うため印画紙をプリントウォッシャー(無ければバット上で)に入れて20分間水洗をします。
水洗ばかりしているように思えますが、水洗促進剤の工程を入れてますので20分間で済ませることができるので水道代の節約になります。 (RC紙だと3分ほどなのでもっと節約になりますが...)

11。乾燥処理をする

乾燥処理する

印画紙を取出し、アクリル板などに付けてスクイーズなどを使って水滴を除きます。(スポンジを使う人もいます)
そして乾燥棚に並べるか洗濯ばさみで吊るして乾燥を行います。
バライタ紙は乾燥に時間が掛かります。夏なら1日で充分な場合でも冬だと2日でも乾かないときがあります。

12。ストレッジボックスなどに収納します

ストレッジボックス収納

印画紙はストレッジボックスなどに収納しますが、バライタ紙であればフラットニング処理を行って平面のプリントにします。
また印画紙に埃や傷が写っているときにはスポッティング作業も必要になります。 これら処理は別ページを参照してください。

※この手順は普段私がテストプリントしている手順です。
本番プリントでは10の本水洗の後に、保護調色としてのセレン調色(5分)と本水洗(30分)の手順を追加処理しています。


※各処理の時間
手順で示した時間は私が行った時間であり、溶液や印画紙種類によって変化します。またそれに自分の好みも入ってきます。
・現像液
今回使用した現像液は市販の溶液になったもので、私がメインで使用している製品です。 その溶液を10倍に薄めた推奨現像時間は、RC印画紙で1分間・バライタ紙で2分間となっています。 今回バライタ紙ですが私はいつも少し長めの3分間で行っています。 間違ってもしてはいけないのは、露光時間の誤りによって現像処理の時間を長くしたり短くしたりすることです。 意図しない限り現像処理時間を変えるべきではなく、間違っていれば露光からやり直すべきです。やり直すことで過ちの 本質がどこにあるかが理解できるのではないかと思います。
・停止液
これは種類に関係なく30秒処理でいつも行っています。 ただ酢酸以外の停止液を使用する場合には、その製品の推奨時間に従ってください。
・定着液
定着時間は使用溶液の推奨時間を基本的に守るようにしてください。短すぎても長すぎても良いことありませんので。 ちなみに今回使用した定着液はRC印画紙の場合には30秒間が推奨時間です。
・水洗
今回バライタ紙でしたので予備水洗・水洗促進剤・本水洗と行いましたが、RC印画紙であれば本水洗だけで充分なうえ、 本水洗時間も2〜3分間ほどと短くて済みます。 バライタ紙に比べてRC紙は水洗処理が本当に楽で、プリントウォッシャーを使わずにバット上で行っても疲れないです。

※覆い焼きと焼き込みについて

覆い焼き・焼き込み

プリントされたものを見て、一部分だけを薄くしたいとか濃くしたいとか思うときがあります。
そういったプリントの一部分を覆って露光することで薄くすることを覆い焼き、一部分以外を覆って一部分だけを露光する ことで濃くすることを焼き込みと呼んでいます。
それらを行うには覆うために手や用品を使って行いますが、用品に関しては販売されているものではなく自分で作ります。 上図のようなものを作り、これらを引伸ばしレンズと印画紙の間で露光中に揺らしたりしながら、その一部分を濃くしたり薄くしたり するのです。引伸ばしレンズと印画紙間の距離によって下図のように領域変化がありますので画像によって適度な位置で作業するように します。
また画像によってこれら用品で補えない時には、下図のように作業台上で露光された図を元にして覆い焼き用品(単なる濃い色の画用紙を切って作ってます) を作ってそれを使って作業することもあります。印画紙に密着した状態で作られる方もいらっしゃいますが、どうも私は不器用で画像の縁が やたらと目立ってしまうため、常に印画紙よりも上に浮かせた状態で作業するようにしています。
覆い焼きと焼き込み時には露光秒数や範囲はもちろんのこと、モノクロ多諧調紙であれば号数変化させるかどうかを考えてもいいかと思います。

焼き込みの領域変化

覆い焼き作業台